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#159

スプーンの曲がりと、僕らのあやふやな「ファンタジー」【補講・前編】

今回は、二村、田嶋、大内、そしてぼくの4名が勢揃いしての収録。冒頭からこれといったテーマを決めない雑談スタイルでスタートしました。

話題は、前回の“やってる”論争から、そのままオカルト・スピリチュアルへの反発へとスライドしていきます。
ぼくに言わせれば、相手を安く見積もって騙そうとする行為はすべて“やってる”に入ります。つまり、種も仕掛けもないフリをして見せる素人の手品や超能力なんてものは、完全に“やってる”の最たる例なワケです。

ここで議論になったのが、かつて全米を騒がせたスプーン曲げのユリ・ゲラー問題。
元手品師たちに自前以外のスプーンを使わされて1本も曲げられなくなり、「今日は調子が悪い」と逃げたあの有名なイカサマ劇。ぼくからすれば「やっぱイカサマじゃないか」で終わりなのですが、二村や田嶋は「いちいち暴くのは野暮だ」「イチローに別のバットを使わせるようなもの」「プロレスと同じファンタジーとして楽しめばいい」と、なぜか超能力擁護派に回る始末。

「100%嘘だとわかって演じているなら詐欺だが、20%でも本気ならグラデーションだからセーフ」などという田嶋の謎理論には、やっぱり全く同意できません…。

結局、人間は大人になると純粋な恐怖心を失っていきます。
子供の頃は映画『リング』や『エクソシスト』を見てトイレに行けなくなったり、暗いトンネルや廃病院に“気”の悪さを感じて怯えていたはずなのに、アラフィフにもなれば、怪談を聞こうが墓場を歩こうが、何ひとつ怖くない状態になってしまう。

霊感も、前世の記憶も、イタコの口寄せも。すべては受け手がその気になって生み出す物語(ファンタジー)であり、人ん家のドロドロに煮込まれすぎたカレー(無具)、友達のお母さんが握ったおむすびを食えるか食えないかという、主観と情緒の問題でしかないのかもしれません。

超能力や霊の存在を1ミリも信じないぼくですが、じつはかつて実家がマンションだった頃、廊下を歩くだけで501号室から505号室までに中に人がいるかいないかが気配で分かったあの感覚だけは、未だに科学で説明がつかないバグとして胸に引っかかっています(中一くらいで急にその能力は消え去りましたが)。

野暮な検証でファンタジーを暴くのか、それとも気のせいにしてみんなで騙されるのか。答えの出ない不気味な余韻を残したまま、ぼくらの雑談は駅前のタワーマンション(定義は相対的なもの)の陰へと消えていくのでした。

TEXT:ユスカル
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