#161
「違うか」の哀愁と、ぼくらの無意識なおじさん言語【補講・後編】
前回のテーマなしで雑談したら泥仕合になった、という猛省を踏まえ、今回は事前に「おじさん臭さとは何か」というソリッドなテーマを設けて収録に臨みました。二村、田嶋、大内、そしてぼくの4人が勢揃いの中、冒頭では前回収録で言い忘れた田嶋がライティングを手掛けた『一度ハマると抜け出せない インド料理の歩き方』(三笠書房・発売中)の露骨な宣伝をさせていただきました。お近くの書店やネット書店でご覧いただけます。ぜひチェックしてみてください。
まずは世間を騒がせた「おじさんの短パン出勤規制ニュース」から議論はスタート。
女子社員からのクレームで短パンが禁止されたという話ですが、ぼくや田嶋の見解は「短パンそのものが悪なのではなく、年齢とともにみなりを整えること(おしゃれ)を諦め、圧倒的な暑さ対策優先にシフトした『降りた感』こそがおじさん臭さの正体だ」というもの。二村は、足が細くてフォルムが綺麗に見えるから短パンが好きというこだわりはあるものの、若者から見れば等しく気持ちの悪いモノでしかないのかもしれません。
そこから話題は、ぼくらが無意識に使ってしまう「おじさん言語・ファッション用語」の検証へ。
・「パスタ」と言えばいいのに「スパゲッティ」
・「パンツ」と言えばいいのに「ズボン」
・「スウェット」と言えばいいのに「トレーナー」
・「フーディ」と言えばいいのに「パーカ」
・「ニット」と言えばいいのに「セーター」
・「スニーカー」と言えばいいのに「ズック」
ぼく的には、原稿で「フーディ」と書くのが当たり前な現代において、頑なに「スパゲッティ」と呼び続けるのは、おじさん特有の「ペンネ等と誤解を招かないための気遣い(?)」だと思うのですが。回転寿司のタッチパネルを指して「そこの画面取って」と言ってしまう田嶋の言動も含め、言葉の端々に昭和の残り香が漂います。
極め付けは、セクハラまがいの発言をした後に自ら「……違うか!」と大声でかき消すおじさん特有の免責話法です。「今日デートなんじゃないのか?……違うか!」と、「知らんけど」のニュアンスで自己保身を図るあの哀愁。かつてぼくらの少年時代に流行った無意味な接客語「てか」や「ドロン」と同様、言葉の背景に透ける照れ隠しと図々しさこそが、おじさん臭さの本質なのかもしれません。
なお、途中で盛り上がった「路上での排泄(野グソ・立ち小便)の思い出」については、公序良俗とコンプライアンスの観点から完全カットとなりましたことをここにご報告いたします。
ぼくらがどれだけ若作りを気取ったところで、ふとした瞬間に漏れ出る「違うか!」の精神。みなさんも自分の言葉遣いが「ズック」や「ウエップ」になっていないか、今一度チェックしてみてください。
TEXT:ユスカル
https://www.wowrecords.jp/
『一度ハマると抜け出せない インド料理の歩き方』
https://amzn.asia/d/052AMid1