#7
人はなぜマウンティングするのか?
前編
〜ディスタンクシオン【補講】
ホビーはもちろんセンス的な側面も含め、あなたの趣味は本当にあなたが選択したものなのでしょうか?
フランスの社会学者ピエール・ブルデューが1979年に発表した著作『ディスタンクシオン』では、「趣味とは何なのか?」、そして「その趣味は社会において、どのように機能し、どのような役割を果たしているのか?」を紐解いています。
たとえば、お金持ちが「親類から送られてきたブランド牛しか食べたことがないんだけど、そんな餌みたいなものをよく食べられるね…」と、庶民の味方であるファストフードを見下したとします。
一方の我々庶民もただ黙っているのではなく、「そんなお高く止まった飯よりも結局はこういうジャンクが一番美味いのよ」と、彼らへの対抗意識をのぞかせます。
つまり、お互いが身を置く社会階級(界隈)の常識こそが、本来は正統であり、上位であると、各々の価値観を押し付け合いながら人間たちは生きている、平たく言うなら「あなたの趣味よりわたしの趣味の方が卓越している」と、ブルデューは説くのです。
人は他者の価値観を多かれ少なかれ見下しながら生きている。
そんな“卓越化”のフランス語訳が“ディスタンクシオン”なのです。
現代風に言うならマウンティングでもあるディスタンクシオンですが、
我々人間はなぜ他者にマウントを取ってしまうのか?
マウントを取ることでいったい何が満たされているのか?
前編では、そんなディスタンクシオンのシステム面について考えていきます。
TEXT:ユスカル
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